知らない人同士のユーモアたっぷりな会話に魅了されて。

お久しぶりでございます、スペイン人の会話の卓越さには日々舌を巻いてしまうAnikoです。

先日、川辺で日光浴に勤しみながら、ひょんな光景を目の当たりにしました。

10才前後の女の子が腰の辺りまで水につかる程度の浅瀬から辺りで待つ両親に向かって、

「さてと、どうやってあがろうかしら」

それを見ていた通りがかりのお兄さんが、

「そりゃ簡単だよ。まずは片足を一歩岸にあげて、次にもう一方を置くだけさ」

これをきいた周囲の人々の間でささやかな笑いが起こり、女の子は照れくさそうに、けれどすかさず、

「そりゃそうなんだけど、私が言いたかったのは手が汚れてしまわないように上がるってことなの」

そんな風に、大人の冗談に逞しく掛け合いながらひょひょいと川岸に飛びうつる少女、親子で笑いながら去っていく姿、何事もなかったかのように通りすぎてゆくお兄さん。ものの1分弱のベリーショート寸劇はおしまい、なんだけれど、なぜか記憶に刻まれたワンシーンなのでした。

ウェットです。ウィットがあります。ユーモアがあふれているんですよ、しかも知らない人同士の会話で。きと川辺という開放感ある雰囲気もそうさせるのでしょう。知らない人に話しかけることはこんなにも自然なことだってことを、昔、都会暮らしをしていた頃には忘れてしまうことがありました。

スペインに住み始めて早数年。これぞこの土地の人々の魅力かなとあらためて思います。