読書
西田幾多郎著『善の研究』を読んで、 「純粋経験」を理解するために子育てに置き換えてみた。 我が子に見る「純粋経験」 蛇口から流れ出る水に手を伸ばし 肌に触れてははじけ散り 枝分かれして落ちゆく流れを まっすぐな眼で見つめる息子よふくよかな手のひ…
井筒俊彦氏「イスラーム文化―その根底にあるもの―」ワイド社岩波文庫156、第二刷、2001年(第一刷、1994年)。このを読んでみようと思ったのは、日本の思想史について、とくに明治以降のそれについて考察しようと思ったからだ。古代からのアニミズム(自然崇…
In a station of Metro 地下鉄の駅でThe apparition of these faces in the crowd: Petals on a wet, black bough. これはエズラ・パウンドの有名な詩なだけあって、 ネット上でもいくつか訳を見つけることができた。 <人混みで幽霊に会ったら、濡れた黒い…
The flounced edge of skirt, recoiling like waves off a cliff. トマス・アーネスト・ヒューム(Thomas Ernest Hulme) この作品の和訳がネットでは見つからなかったので、自分で訳してみました。直訳: スカートのひだ飾り 絶壁に巻き返す 波のよう 俳句風に…
...quizá la verdadera sabiduria no pueda transmitirse más que de viva voz, en el ir y venir de palabras que vuelan entre maestro y discípulo. Palabras que vuelan: Alberto Manguel observa que la expresion verba volant, scripta manent –que p…
紀貫之による仮名文学935年頃の作品、土佐日記を読み始めた。これからは、自らの原点に戻る意味でも日本の古典文学に少しずつ目を向けて行きたい。 読み進めつつ、あることに気がつく。いくつかの表現が琉球語とよく似ていたり、あるいはまったく々であった…
大まかにではあるが、最後までざっと目を通した。日記であるから、当時の時代背景、ラテンアメリカの情勢を理解してからの方が分かりやすいだろう。しかし、彼の日記は実に簡潔であり、観察力に長けた人物であることがよく伝わってくる。「何も無い一日」と…
昭和15年1月22日印刷、26日発行。 梶刈弥生が許婚の宮本驚三との待ち合わせに急いでいく場面から始まる。弥生は中津川家にて末娘絢子の家庭教師として働く。勉強を見る傍ら、亡き母を想い一人こもりがちの邦彦の心を開き、次第に二人は惹かれ合う。驚三は二…
スペイン語版を読みきりました。ひとまず好きな箇所をいくつか書き出してみます。尚、日本語訳はあくまでも私個人による試訳ですので悪しからずご了承下さい。(翻訳中につき、後の更新を予定しています。) "... su temor de artista de no acabar su obra,…